30代前半、人生の分岐点で勇気をくれた本と漫画

30代って、たくさんの分かれ道があって、どの人の人生もそれぞれに変わっていく時だった気がする。結婚して、子供ができたら家庭中心の生活に変わっていく人、離婚してシングルで仕事と子育ての両方を頑張る人、仕事にものすごく打ち込んで昇進していく人、逆にフリーランスで仕事を始めた人もちらほら、という感じだった。

33歳、私は離婚してシングルで仕事と子育ての両方を頑張る人になった。

頑張ってないとどうにもやってられないくらいてんてこ舞いな毎日だった。色んなことがあったはずだけど、忙しすぎて、忙しかったことしか覚えていない。職場と保育園と自宅マンションを往復して、夜は残った仕事を片付けて、洗濯物を干したり、畳んだりとかしてるうちに何年か過ぎた。

元書店員と名乗っているのは、この時期に電子書籍を運営している会社で働いていたからだ。

仕事として本や漫画を大量に読んだ。仕事中は打ち合わせばかりで、時間が取れないので、行き帰りの電車や寝る前に携帯電話で読んだ。流行りの本から、特定の世代に合わせた特集企画を作るために古いもの(永井豪とか)まで、脈絡なく大量の本を読んで企画を作るというのは、人間の脳の限界への挑戦のような日々だった。

でもその代わり、気分転換にもなった。いろんな本と漫画を読み漁るのって学生時代以来だったし、『高速でキングダム五十巻分を3日間で読んだので眠いです』というぼんやりしている理由も、真面目な勤務態度として評価された。
そんな30代前半、読んでためになったり、衝撃的だった本をいくつか紹介したい。

  1. キングダム
    名著。内容は割愛。
  2. 昭和史 (水木しげる)
    水木しげるが妖怪漫画だけ描いているというのは大間違いで、水木しげるは太平洋戦争中に妖怪に助けられていた。水木しげるが片腕がないことを知った。水木しげるが見た昭和史は、教科書で聞いたりテレビで見た昭和史ではなくて、一人の日本兵の体験談として綴られている。ゲゲゲしか知らない人、ゲゲゲだけでも知ってる人は今すぐ読んで、鬼太郎がこの世に産み出される前の水木しげるの生き様を知ってほしい。のんのんばあと俺、もおすすめ。生きてるうちに読まないと損。
  3. 人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている。(岡本太郎)
    太郎の母を擁護する人がいるが、それには強く反対する。太郎は母を愛していたことは間違いない。しかしかの子を肯定する著書が世に出ていることを私は悲しく思う。詳細は太郎の本を読んでください。
  4. 毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で
    書店員でなかったら、そして同僚がアスペルガー疑いじゃなかったら出会わなかった本。自分の見てる世界はあくまで「自分ビジョン」であり、「他人ビジョン」では全く同じシーンでも受け取る情報は違うということを知った一冊。そして、「あの人にはそう感じたんだな」と他人の無理解に寛容になれた(一瞬だけ)気がした。
  5. はれた日は学校をやすんで
    TA・KA・SU!と付き合ってる西原さんの著。この人の本は女の強さ、逞しさみたいなのがあるよね。同性で光栄。
  6. 夫のちんぽが入らない
    おそらく書店員でなかったら読むことはなかったであろう一書。
    愛する人とSEXが出来ない、という悩みがどれほど哀しいものなのか想像したことがあるだろうか。このタイトルだから買った、買わなかった、買いづらい、と意見が分かれるだろうけれど、電子書籍なら誰にも知られることなく読めるので、ぜひ懐に余裕のある人は読んでみてください。

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